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第1章 湯けむり温泉紀行

夜、樹さんに話したかったから、一旦家に寄って、件のパンフと着替えを一式持って樹さんの家に行く。

私の部屋よりは樹さんの部屋が広いから、って理由で、なんだかんだで私がちょこちょこ荷物持って行って、半同棲的な生活になりつつあるけど、樹さんのマンションだってちょっと広めの単身者向けの物件で、2人で住むには手狭。
樹さんも今年は転勤無さそうだから、そろそろ新居を物色しようかな〜という今日この頃。

結婚して新居に越したら1年間、会社から住宅補助として月2万出るから、それも申請したい。

「温泉旅行？」

「うん、カナちゃんがね、白浜温泉の、旅館のモニターキャンペーンに当たったんだって。でね、6人以上のグループ旅、っていうやつだから、カナちゃんと谷口くんカップルと、私たち2人と、あと、樹さんから宮本さんご夫妻誘って貰えないかな、と思って。」