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私を愛して
第1章 -第1章-



「はぁ………はぁっ……」




学校から小走りすること10分。



「よーし、何とか間に合ったかな?」



美咲は腕時計を見ながら、呟く。




少し汗ばんだ身体を気にしつつ、目の前の家の呼び鈴を押す。



その家は 古い日本家屋で 呼び鈴も重々しい音がする。




押して しばらくすると中から年配の女性が出てきた。



「お待ちしてました。美咲さん

旦那様が奥でお待ちです。」



「はい。お邪魔します。」



美咲は軽く頭を下げ、中に入っていく。




真っ直ぐ廊下を歩くと 奥の座敷の前で座り 中にいるであろう人に声を掛ける。



「美咲です。」



「……入りなさい。」



中から 少ししわがれた声がした。



「失礼します。」



美咲は襖を開け、中に入る。




「お加減は いかがですか?

おじいさま。」




「…ふっ…何も変わらんよ。

…じゃが、美咲が来るとワシも気持ちが上向く。」










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