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第26章 ブランコの約束

「私の中であの人達の遺産は必要ない。どうぞお帰り下さい。」

そういいながらリビングの扉を開けて帰宅を促した。ハァ…とため息をついて一礼すると早々に弁護士は帰って行った。
すると玄関先で帰る弁護士と少し早い帰宅となった愛良の母が屋敷に戻ってきた。

「あら黒野くん、お客様？」
「はい。しかしもうお帰りになります」
「そうなの？すみません、何もお構いが出来なくて…」
「いえ…失礼します」

そうして弁護士は頭を下げて屋敷に背を向けたまま去っていく。屋敷の中に戻り入る黒野と母親。

「黒野君？あの方はどなただったの？」
「いえ、弁護士の方ですよ。」