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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から

「イタタタ……」


 仰向けに寝そべる僕を――


「あのさ」


「え?」


 いつの間にか戻って来た寺井は、上から見下ろして言った。


「ホントは、私だって――聞きたかったよ。君の言葉」


「僕の……言葉って?」


 見上げてそう訊き返すと、寺井はとても不機嫌そうな顔。


「あっそ……やってしまえば、それでいいと? 結局は身体だけが、目当てなのだね。ふーん……よーく、わかった」


「ち、違う。急に言われたから、ちょっとボーっとしただけだし」


 僕は身体を起こすと、まだ思考の鈍い頭をブンブンと振った。


 そう、僕には――寺井夏美に、ちゃんと伝えたい言葉が、ある。


「じゃあ、ちゃんと聞いてよね」


「……」


 そうは言ってみても、睡眠でリセットされた今の気分とあの時とでは、その勢いに落差を感じてしまうのも事実だった。

 それでも、何とか絞り出すようにして、僕は――


「あの――僕は、寺井のこと――」


「あ、やっぱ。今じゃなくて、いいから」


「――は?」

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