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桜舞うあの日のままで
第10章 旅立ちの朝、舞い散る桜
「そういえば、明日は俺の、三日後は風香の、それぞれ誕生日だったよな。今年は一緒に祝えなくて残念だな……」

「そうだね……。ああ、私がK大に合格していたらなぁ……。ダメモトで受験していたわけなんだし、合格する可能性の方が低かったから、仕方ないんだけど……」

「そんなことないって。風香は頑張ってたよ。センターでも良い成績だっただろ。試験では、運やその日の体調も影響するから、別の日だったら俺だって不合格だったかもしれない」

 風香は「そんなはずはないけど」と思いつつも、気遣ってくれる悠に感謝の気持ちでいっぱいだった。

 悠の顔を見ていると、ドキドキして、好きだという想いがこみ上げてくる風香。

 風香は思い切って、想いを我慢せずに解放し、「好き」と伝えようとして口を開いた。

「あのね……悠……」

「ん?」




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