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第14章 夏休み直前、悠と真奈美

　そして煽るように「じゃあ、行ってもいいよね？　もし変な本やＤＶＤを隠す時間がほしいなら、今のうちに言っておいて」などと言う真奈美に対し、悠は「そこまで言われて黙ってられるか！　今すぐ来い！」と応じてしまったのだ。

　こうして、真奈美の策略にまんまと乗せられ、部屋へと入れてしまった悠。

　そして、目ざとい真奈美により、冷蔵庫内のシュークリームを奪われてしまったのだった。

　ちなみに、悠は「いやらしいＤＶＤを全く持っていない」というわけではなく、絶対に見つかりっこないと本人が自信を持っている隠し場所に隠してあるので、こうして堂々と真奈美を部屋に入れているのだ。

　ともかく、そうして一度、部屋に入れてしまうと、二度三度と真奈美が来たがるようになるのは必定だった。

　一度部屋に入れてしまった以上、悠には断る口実探しが難しいという理由もあり、結局許可する運びとなってしまっている。

　もっとも、真奈美と一緒に対戦ゲームをすることは、悠にとっても楽しいことなので、嫌々許可を出しているわけではないのは確かだが。