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桜舞うあの日のままで
第15章 悠の帰郷
 翌日の夕方―――。

 約3ヶ月前に風香の見送りを受けて旅立ったあの駅のホームに、1台の電車が止まる。



 あの日とは違い、線路の向こうの木々には、葉の濃い緑が目立っていた。

 その向こうには、幾つかの雲を浮かべた、真っ青な夏空が広がっている。

 気温は少し下がってきたとはいえ、まだあまり夕方の気配は感じられなかった。




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