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桜舞うあの日のままで
第18章 再び桜の季節
 関係に大きな変化が見られないままの風香たちのもとへ、再び桜の季節がやって来た。



 3月下旬の青空の下、一人で家路を急ぐ風香の目には、開花が進む桜が次々と飛び込んでくる。

 そんな桜並木を眺めるにつれ、風香の脳裏には悠とのたくさんの想い出が浮かんできた。

 悠のことを思い、胸が苦しくなる風香。



 そして、風香はハッと思い出した。

 悠の部屋で、「また一緒に桜を見る」と約束したことを。



 その「約束」という言葉で、風香はさらに別の約束を思い出した。

 そこで、風香はもう居ても立ってもいられなくなり、大急ぎで帰宅する風香。



 それから自分の部屋へと入ると、すぐに悠にLINEを送った。

「話したいことがあるから、都合が良いときに電話してきて」と。




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