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第18章 再び桜の季節

　電話を切った後、風香は大きく息をつくと、唇をキッと一文字に結んだ。

　そして、静かに目を閉じる風香。

　心はすでに決まっていた。

　誕生日に二人っきりで会うそのとき、今度こそ必ず告白すると。

　離れ離れになってしまったこの一年間は、風香にとってはたまらなくつらいものとなってしまっていた。

　もちろん、陽子ら気のおけない友人たちもいるし、楽しい時間が全くなかったわけではない。

　それでも、風香の心の中で、最も大きな部分を占めているのは、悠への想いだった。

　悠と真奈美の関係がどうなっているのかは、風香は全く知らないままだったが、それでも「もう告白するしかない。どんな結果になっても」と誓う風香の気持ちは揺るがない。

　風香はそっと目を開けると、再び悠のことを考え始めた。