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どうか、私を愛してください。
第8章 誠一の嘘。
ドアの隙間から見えたのは
俺の名前を呼んでいる紗英だけど――
あんなに妖艶な紗英を見たことがない。



髪の毛は乱れ
綺麗な形の胸は揺れていて
シーツを必死に掴んでいる手にそっと手を重ねているのは




誠二だった。




『あっ…あんっ……もう、無理……はぁっ…』



たくさん濡れているのか
グチョグチョと音が寝室に響いていて――
目の前にいるのは自分の妻なのにまるでAVを観ているような気分だった。



『はぁっ…あぁ……あぁぁ!!!』



俺の前で紗英はあんな風にも乱れたことはあるのだろうか?
いや、俺の記憶ではない。
俺は子供を作るため、そういう風に義務的にしかしてこなかったから
それが一番悪かった。
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