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どうか、私を愛してください。
第30章 秘密。
「産まれたとき二人の血液型が違ってわかったわ。だけど誰にも言えなくて……だって峰行さんとは一度きり、夢だったお医者さんになったばかりだったし……」



誰もが違う形ではあるけど
誰かの幸せを願っていた。
誰かの幸せを願っているのに届かなくて
他の誰かを傷つける結果になってしまったなんて――


ほんの少しの歯車で
色んな人の人生がくるってしまったんだ。


「誠二はきっと病院にいって初めて自分の血液型を知ったみたい……それと私が結婚する前に峰行さんと付き合っている時の写真を持ってきたわ。それで永一が会社を継げないということがわかったみたいで私に隠し通してほしいと…なのに弘樹が結局バラしてしまったわ。これからどうすればいいの…?」



「でも双子なのに父親が違うなんて…ありえるのか?」



「ありえる話だ。とてもまれだが………慶子さん、しっかりっ…!」


無理もない。
お義母さんにとって今日はずっと黙っていた秘密が公にバレて
息子も刺され、孫も危険な目にあった。
精神的にずっとギリギリだったんだろう。
先生がお義母さんを連れて外に出たあと
私の本音を美緒さんに伝えたくなった。
きっと、今言わなきゃ、後悔するから。


「あなたたちがどういう選択をするかわからないけど、私のパートナーも人工呼吸器をつけなかったわ。でも穏やかな最期を過ごせて幸せだった。だけど……」


だけど――
遥人がまだ生きていたら
私は誠二と出会うこともなく
ここに誠二を連れてくることもなかっただろう。
だけどさ、やっぱり思い出しちゃうんだよ。
会いたくなるんだよ、遥人に。


「たまに……すごく寂しい。」


誠二を遥人に重ねて
美緒さんを私に重ねて
こんな将来があったんじゃないかって
笑い声が聞こえなくなっても
息遣いで感じあえたんじゃないかって


「俺は……誠二に生きてほしいと思っている。」



「誠一さん……」



「今まで美緒と…そして紗英と俺は過ごしてきたから。だからこれからは誠二には美緒と過ごしてほしい。だけど……誠二の気持ちも少しわかる。無理に生きようと思わない。」


もう、本音を言った。
あとは誠二が…誠二がどうしたいか。
美緒さんなら、きっと誠二を手放すことはないだろう。








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