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どうか、私を愛してください。
第31章 包まれた愛
暖かい…暖かくて気持ちがいいから
まだ眠っていたい。
春の陽だまりに包まれているみたいで
安心して眠れる。
こんな気持ちはいつぶりだろう


遥人の病気がわかってから
自分が眠っている間に何かあったらって
そう思ったら気が気じゃなくて
ずっと熟睡することはできなかった。
誠二と出会ってからもそう。
いつも、私は死神に怯えていた。



「ん……」


ゆっくりと目を開けるとカーテンの隙間から入ってくる
日差しが眩しかった。
まだまだ早朝だと思っていたけど
もしかして昼前ぐらいなの?


そうだ、誠二が帰ってくるかもって思いながら
イスに座った状態で上半身だけ誠二のベッドで寝ていたんだ。





目を開けるとぼんやりと男の人が見える。
私の手に、大きくて温かくて
包み込まれている安心感がある手が添えられている。


「遥人……?」


違う、よく見たら、誠一さんだ。
整えられている髪型は乱れて
口も少し開けて寝ている。
いつものビシッとした格好からは想像ができない姿だ。


「この人だって、ただの人間なんだよね。ただ不器用なだけで」


人の数だけ、人への愛し方があるように
この人はこの人なりに美緒さんを愛していた。


みんな両想いになれたらいいのに。
みんな、幸せになれたら、いいのに。
だけど、誰かが傷つくのが恋だから。
自分を犠牲にするのが、時に愛だから。


「ん……」


「起きました?」


「え?」


「誠二の病室ですよ。まだ2人は帰って来ていないみたい」


「え!申し訳ない!」


「ん?何がです?」


「その手を、重ねてしまって」


「べつに何とも思いませんよw」



「いつ寝たかもわからない。私としたことが」


「ふふ、私もですよwだって、誠二がいなくなっていて心配なのに、ぐっすり寝てしまって、驚きましたよ!」


「……こんなに寝てしまったのは、どのくらいぶりだろうか」


「そんなに?」


「紗英のことがあってから……ずっと寝れなかった」


「私よりだいぶ前から眠れなくなっていたなんて」


「円花さんも?」


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