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縄と蝋燭 ~法恵の不貞~
第3章 ■出会う
テレクラでは、H目的の誘いをかけてくるか、テレホンSEXを求めるような男性ばかりだったが、法恵は初めて普通に話をするこの男性客になぜか興味を持ってしまった。
その上で、本当にSMを知らない自分でいいのか判らず、話の腰を折ってしまうような答え方をしてしまった。(さくらとしては失格発言である)

客-  「大丈夫!」「話を聞いてくれるだけでいいんだ」
 
法恵- 「そう、でもSMのことって知らない事ばかりですよ」

客-  「いいんだよ」「聞いてくれるだけで」

男性客はこの後、別れた女性の出会いから、別れるまでを話しました。
その中で、時折り法恵の想像を超えるプレイの話もあって驚いたが、淡々と話す相手に、共感姿勢を持って愛想返しで会話をしていた。

客-  「今日はありがとう」「いろいろ話を聞いてくれて」
    「少しスッキリした感じがするよ」

法恵- 「失礼な言い方かもしれないけど、お話楽しかったですよ」
    「少しだけど、SMにも興味持てました」

客-  「そっか、ごめんね」「長い間付きあわせて」

法恵- 「いいの」「楽しかったもん」

客-  「もしよければ、電話番号を教えるから、また話できないかな?」

法恵- 「うん」「電話番号教えて!」
    「私の都合のいい時間になるけど、いいかな」

客-  「うん」「じゃぁ教えるね」「090-xxxx-xxxx」「幸雄って言います」

法恵- 「090-xxxx-xxxx」「合ってる?」「幸雄さん!」

客-  「合ってるよ」「いつでもいいから電話してね」
    「じゃぁ待ってますね」

法恵- 「うん」「またね」

「教えるから電話してね」という男性からの誘いは、いつものことで、復唱確認すると見込みがあると男性は思ってしまい期待しながら待ってくれるし、電話が来なければ、またテレクラに遊びに来るというサイクルを作るのである。法恵もいつもの通り電話番号をメモって復唱した。

しかしこの時ばかりは、男性客の電話番号のメモは破り捨てなかった。
なにがどうだったのか自分でも解らないが、法恵の心の中に小さな火が灯った。
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