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「ねえ、何の用……？」
　さくらは怪しみながらも彼を見つめる。
　休み時間に二人きりとは、何か理由があるのだろう。

「さくら、今度テーマパーク行くんだってな」
　彼は私と同じ中学生の樹。勝手に私のことを彼女だと思っているらしい。

「え、なんで知ってるの……？」
　私はテーマパークの事を誰にも伝えていなかった。
　テーマパークの事とは、今度の日曜日に家族で旅行に行こうって話。最近、そういうのに行けてなかったから、らしいけど……。

「背中に盗聴器を仕掛けておいたから」
　私は直ぐに背中を確認すると、確かに盗聴器が仕掛けてあった。
　こんなもの、いつの間につけられていたんだろう……。
「……ってことは、今までのこと全部聞こえてたの……？」
「大体は。おっと、それ取らないで？　取ったら、さくらが家でオナニーしてるってこと、みんなにばらすよ？」
　私は直ぐに取ってしまおうと思ったが、そう言い聞かせられ手を下げた。

「よしよし、それでいい。じゃ、次に、これをお股に付けて。……あっ、直接だよ？」
　そう言って、私に渡してきたのは小型ローターだった。

「え、でも……そんなことっ……」
　できる訳ない。何か分からないけど、これを付けてはいけない気がしたんだ。
「そっか、付けられないかぁ。じゃ、みんなにオナニーのこと、ばらしちゃおっかなぁ！」
　それも嫌だ。特に友達には変な人だと思われたくない。
「待って！　付ける……から……」
　仕方ない。まだ友達にバレるくらいなら、こっちの方がマシだ。そう思い、私はこそっと片手でスカートとパンツを伸ばし、渡された小型ローターを股の部分に当てた。
「ねえ、ちゃんと出来たか見せてよ」
「だ、大丈夫だからっ……！」
　無意識に顔が赤くなってしまう。

「ちゃんと出来てないと困るし、それに君は俺の彼女だろ？」
「そ、それは……だって樹君が勝手に決めて……」
　一回だけ話をしたことがあるだけで、別に付き合ってる訳じゃないし……。
「そっかあ酷いなぁ……さくらちゃんが人の言うことを聞かない奴って、みんなに伝えなきゃなぁ……」

「分かった、分かったからぁ！」
　そう言って私は仕方ないなとスカートを捲り上げ、パンツを下ろした。
「うん、ちゃんと出来てるね。じゃあ明日の日曜日、楽しんで」
「あ、うん……」
　彼の「楽しんで」って、どういう意味だろう……。