この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater1.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あの子のとりこ
第4章 同居人
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
恭一side
「…ほ、星川先生、どこか具合でも…?」
気がつくとまた教頭が、心配そうに声をかけてきた。
「なんともありません。大丈夫です」
やばい、全く聞いてなかった。
教頭に呼ばれてきたものの、話の内容は頭に入っておらず、とりあえず返事を返した。
「じゃあ決まりですな!19時からこの場所ですので時間厳守でお願いしますね」
店の地図のついた名刺を渡された。
「…分かりました。」
ずっと上の空だ、自分でも自覚している。
今まで付き合った女性は何人かいた。
相手から告白されて付き合ったのが殆んどだ。
なんで断らなかったかは、付き合う内に相手に愛情が湧いてくるんじゃないか、ナナミを忘れる事が出来るのではないか期待したからだ。
現実的に言えば10歳も年下の女の子を好きになるなんて、ロリコンの所業ではないかと思っていた。
なので、大学時代は“来るもの拒まず”だった。
だが、いざセックスとなると勃たなくなる。
僕は異常な性癖を持っているのかと悩んだ時もあった。
再会したあの日ーー
久しぶりに成長したナナミに驚いた。あんなに綺麗になってー…
そしてナナミに触れた瞬間、自分が自分でなくなる。
全身が脈打ち、触れるだけで指先に電気が走る。
キス以上を求めてしまうのだ。
でもあの時僕に触れられたナナミの顔は怯える表情だった。
気持ちばかりが焦った結果、あんな顔をさせてしまった。
「ちゃんと謝らないとな…」
自分から「好きだ」と告白した事実はもう変えられないが、今ならまだナナミの「兄」に戻れるかもしれない。
嫌われて離れていくよりは、まだマシかもしれないな…。
あの子の口から本音を聴き出さず、このまま気持ちを殺してしまえば余計に傷をえぐることもない。
結果、逃げてしまいたいだけなんだ。
僕は…
![](/image/skin/separater1.gif)
![](/image/skin/separater1.gif)