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第53章 修復☆それぞれの形

｢もういい！よくわかった。」


私は体を離して服を着て立ち上がった。

ｷｮﾄﾝとした顔をする娘に、もう一度言った。


｢私の敗けだ。お前の好きにするといい。」

｢…えっ？」


まだ状況を理解出来ない娘の縄を、無言でほどいてやる。

白い肌に紅い縄の跡が綺麗に残っている。

何度も、見ている縄跡もやたら綺麗に瞳にうつった。

敗けたのに、気持ちはやたらｽｯｷﾘしていた。

自分の中でも、もう分かっていたのだ。

自分が虚しくなっている事を。

誰かの愛を欲していた事も。

それを、この娘が私にわからせたのだ。

自分を犠牲にしてまで。

私が勝てるはずないだろう。