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私を委ねた同級生
第3章 初夏
「いらっしゃい。あずさちゃん」

「こんにちは。おじゃまします」

美沙のお母さんが顔を出す。

「あんたたち、何作ることにしたの?火、気をつけてね。あと、包丁で怪我しないようにね」

「分かってるっ」
美沙は…ニコニコしながら…お母さんに向かって言い返す。

「じゃあ、あずさ。まずは…たまねぎとベーコン切って…」

「うん」

「あ、あずさ、包丁で怪我しないようにね」

「分かってるっ」
私も…美沙口調で…言い返す。

「はははっ。じゃあ、私は…」
鍋に…お湯を沸かす。

「あ、美沙?この海老は…どうするの?」

「これは…そのままで、いいんじゃない」

「だって…凍ってるよ」

「炒めてるときに…溶けるでしょ」

「本当に?」

「うん。溶ける。溶ける」

「あの~、そういう意味じゃないんですけど…」


そんなわけで…二人は…楽しみながら…料理を進める。

45分後…

「どう?そろそろいいかなぁ…」

「めちゃ…いい匂い」

「早く食べたい」

「お店に出てきそうだよね」

「うん。お金取れるよね」

「うん。うん。700円ぐらいかなっ」

「いや、1000円でしょ」

「はははっ」

そして…出来上がり…

二人は…出来た料理と自分たちが入るように写真を撮る。

「これ、待受にしよっ」

「じゃあ、私の携帯にも送って♪私も待受にするっ」

「じゃあ…食べよっ」

「うん。食べよ」

「いただきま~す」

「いただきます」

二人は…ハフハフしながら…食べた。

「どう?お味は?」

「うん。美味しいっ」

「うん。私たち天才だよね」

「やっぱり、塩、ちょっと足して正解だったね」

「うん。ちょうどだよね」

すると…美沙のお母さんが…覗きにくる。

「あらっ…いい匂い。上手に出来てるじゃない。美沙…ちょっと食べさせてよっ」

「うん。いいよ。はいっ」
美沙は…スプーンに一口分をのせて…お母さんに渡した。

「美味しいっ♪これって…缶詰のを使ったの?」

「ううん。ちゃんと小麦粉でやったよっ」

「凄いわね。あんたたち…夕御飯も…あなたたちが作る?」

二人は…ドヤ顔…

「うん。いいよっ。あずさ…夜は何作る?」

「そうだね…」


「でも…ちゃんと片付けもよろしくね。鍋もちゃんと洗ってね」

「うん」

そうやって…お昼は過ぎてゆく。
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