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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
 

世間で言う公立と呼ばれるような男女共学の普通科と、進学を目指す学力命のエリート集団が集まる進学科(女子禁制)が我が校にはある。

けれど飽くまでも二つが交わる事はあらず、校舎も別々。

制服のデザインや授業のレベルも違う。

そんな中で唯一境界線にあるのが保健室、という訳なのだ。

だからと言って遠い距離ではないのだけれど、今の自分の体調からすると雲のように遥か遠くに感じてしまう。


「……やっぱり、我慢しようかな」


移動するのが億劫になり、いっそ職員室の席でジッとしている方が楽に感じられた……その時だった。


「東雲(しののめ)先生? どうされました、顔色があまり良くないようですが」


聞き覚えのある声に呼び止められ、仕方なく振り向く。


「……高槻(たかつき)先生」


黒シャツに灰色のスラックス。

その上には真っ白な白衣を羽織り、すらりとした背丈に黒シャツと相まって白衣の清廉さが映えている。

気のせいでも何でもなく、周りの女子生徒の注目が高槻先生に集まっているのが分かった。

 
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