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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会

「もしかして、体調があまり良くないのでは?」
――高槻 昂(たかつき のぼる)28歳。
担当教科は理科。故にいつも白衣を纏っている。
清潔に整えられた短い黒髪。
180まで無いにしろ、170は優に越える線の細いひょろりとした背格好でありながら肩幅は広く、意外とがっしりとしている。
またベテランの教師陣の中でも取り分け若く、整った顔立ちである事から女子生徒からの人気は高い。
ちなみに私のクラス、1年3組の担任の先生でもある。
「いえ……その、そこまで酷く具合が優れない訳ではないので」
「否定はしないということは、体調が悪い事に違いはないのですね?」
「うっ……」
何故か妙に気迫のあるにっこり顔で問いかけられて、言葉に詰まる。
それでなくても体調の悪い理由が理由だし、放っておいて欲しいのだけれど。
気まずさに俯き、床に視線を落とす。

