この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
「東雲先生は確か次の時間…空いてましたね? 良ければ保健室まで私がお送りしますよ」
「い、いいえ! 結構です……高槻先生の手を煩わせるのも申し訳ないですし」
「そうですか? 私に遠慮なんてしなくて構いませんからね」
いえいえ、慎んでご遠慮させて頂きます。
ただでさえさっきから女子生徒がこちらを見ては、敵意の眼差しで睨み付けているっていうのに。
ここで高槻先生と二人で一緒になろうものなら……どんなやっかみを受けるか。
想像するだけで恐ろしい。
「でも……そうですね。高槻先生の言う通り、少し保健室で休むことにします」
「えぇ、その方が良いです。本当に顔色が優れませんから」
心配げに垂れ下がった瞳で見つめられて、思わず自分の頬に触れてしまう。
そんなに顔に出ていたのかしら?
「教材は私が東雲先生の机に置いておきますから、預かりますね」
「あ、はい。ありがとうございます」
「何か用事があれば私がお知らせしますから、ゆっくり休んで下さい」
「はい……それじゃ」
高槻先生の好意に甘えて教材を預け、私達はそこで別れた。