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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
――コンコン。
「はい、どうぞ」
ノックをすると年配の女性の声が返ってくる。
「失礼します」
ノブを回し、クリーム色に塗られた扉を開く。
室内に足を踏み入れると同時に、すぐ目に飛び込んでくるのは白一色。
鼻につく消毒液の匂い。
そして丸椅子に腰掛けた白衣姿の女性が、ギィと音を立て私の方へと振り向いた。
「あら、東雲先生じゃないの。もしかして、またかしら?」
「はい……またです。すいません」
ぺこりと頭を下げ、苦笑する。
常連染みたその反応が出てくるのは、私がほとんど毎月一度はこの保健室に訪れているからだ。
お陰様でこの南陽高校に赴任してからというもの、保健医である沼田(ぬまた)先生には顔と名前を覚えられてしまった。
以来、保健室のベッドには何度お世話になったか知れない。
「生理痛の薬もあるから、出しておきましょうか?」
「あ、じゃあ……お願いします」