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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
楕円形の長テーブルにある席のひとつに腰掛け、ぐったりと背もたれに寄りかかった。
そんな私の様子を見て沼田先生も苦笑する気配があり、ガラス戸から薬を取り出すと透明なコップに注いだ水と一緒に手渡された。
「はい、これ薬とお水ね」
「あ……ありがとうございます」
受け取った錠剤を早速口に放り込み、水で流し込む。
ふぅと一息をついてから深く椅子に座り込むと、様子を窺うように沼田先生が話し掛けてきた。
「あんまり薬に頼りすぎるのも良くないんだけどねぇ……身体が慣れてしまったら、薬の効き目も弱くなるから」
「そうなんですか?」
「えぇ、だからあまり酷いようなら一度産婦人科に行ってみた方が良いかもしれないわ」
「分かりました。その内時間が出来たら行ってみます」
……と言いつつも、私にとっては社交辞令に過ぎない。
とてもじゃないけれど、今は教師という仕事で手一杯だもの。
だから沼田先生には申し訳ないけど、当分は病院に行く余裕なんか無いだろう。