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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
怪我をしたのか、具合が悪くなったのか。
どちらにしても沼田先生は今居ない。
「横になっていてだいぶ楽になったし……沼田先生の代わりに様子を見るくらいなら――」
――ガタンッ!
「……!!」
何かに衝突したような突然の物音に眼鏡を取るのも忘れて起き上がる。
閉じていたカーテンを勢いよく開き、靴に足を突っ込んでからボヤけた視界の中で駆け寄る。
「大丈夫?!」
薄目を凝らして見れば、棚に寄りかかるようにして人がうなだれているのが分かった。
紺色のブレザーに灰色のズボン。
定まらない視界の中で色やある程度の形は分かるので、それだけで一つ理解する。
普通科ではない……進学科の生徒のようだ。
そこへ慌てて肩を支えるようにして彼に触れ、布地越しの肌の熱さに驚く。
「君……だいぶ熱が」
顔を上げた彼とふと目が合う。
「え…?」
思わず言葉を失い、見つめてしまった。