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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
――何故なら、その顔に見覚えがあったからだ。
太陽の光を吸って煌めく印象的な蜂蜜色の髪。
夜気の中でも存在感を無くさない、パッチリとした二重瞼の瞳。
そういえば、さっき耳にした声も聞き覚えがあった。
ううん。
覚えがある……なんて、そんな朧気なものでは済まされない。
だって、私の目の前にいるのは――
「おねーさん…じゃん」
「どうして……君がここに」
“おねーさん”
その呼び名に確信する。
彼が私の知っている“彼”なのだと。
「どうしてって……俺がここの生徒だから。それ以外の理由なん…て……くっ」
「あっ!」
ぐらりと傾く身体を慌てて受け止め、何とか支える。
けれど女の身で支えるには力が足りない。
「とりあえず、話は後。今はベッドに行きましょう」
「ん……」
肩に担ぐようにして彼の腕を自らの首に回し、支え直す。
凄い熱だわ……。
密着するようなこの体勢になって、改めて実感する熱を持った彼の肌。
やはり昨日傘を差さず、雨に当たったのが良くなかったのかもしれない。