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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
とにかく……今はベッドに運ぶのが先決ね。
自分がここへ来た当初の理由も忘れて、私は力の入らない彼の身体を半ば引きずるようにしてベッドへと運ぶことにした。
「……しょっと」
「んん…っ」
ドサリ、と彼の身体を先ほどまで私が居たベッドに下ろす。
「はぁ……つか、れた」
歩いた距離は短いのに、肩にのし掛かる負荷のせいで重労働をした後のように息が切れていた。
それでも呼吸を何度か繰り返すと、少しずつ落ち着いてくる。
「んー……なんか、おねーさんの匂いがする」
ごろんと軽く身動ぎをすると、枕に頬を寄せた彼とまた目が合う。
熱があるせいか、その瞳は潤んでいて。
無防備に甘えるような二つの目に捕らわれる。
……そんな目で私を見ないで。
無意識にドキドキとする心臓から逃れるように、私は彼から顔を背けた。
「さっきまで、私もそこで寝てたから」
「そっか……じゃあ、おねーさんも一緒に寝よ?」
「え? なに言って……って、ちょっと…! 待っ…!!」
腕が伸びてきたかと思うと、グイッと思いがけない力に引き寄せられる。