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雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
 

こんなこと、止めさせなくちゃいけないのに。

何故か、身体は言うことを聞いてくれない。

そうしている間にも再び首筋を下から上へと唇が伝い、熱っぽい吐息が肌を撫でる。


「……き……んだ。……から、ずっと」


掠れた彼の声が何かを呟く。

けれどあまりに小さすぎて、所々しか聞き取れなかった。


「……おねーさん」

「……!!」


唇が目前に迫ってきて、身体が強張る。

これ以上は…!

無理やり蹴飛ばしてでも止めるべきだと、頭の中で鳴り響く警報。


「や――…っ?」


衝動のままになんとか抵抗しようと、組み敷かれる足に力を籠めた瞬間だった。

腕の拘束が不意に解かれ、パタリと胸元に彼の顔が沈む。


「……ちょっと、あの…?」


名前が分からないから呼び掛けられない。

どうしようかと思い、顔を覗き込むと。


「うっ……はぁ……あ」

「熱っ…!」


額に手を押しあて、その熱の高さに驚く。

触れた額からは玉のような脂汗を掻き、薄く開いた唇からは辛うじて苦しげな呼吸を繰り返していた。

どうやら熱で逆上せて、意識が朦朧としているらしい。

 
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