この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨の日は、君と。
第2章 予期せぬ再会
こんなこと、止めさせなくちゃいけないのに。
何故か、身体は言うことを聞いてくれない。
そうしている間にも再び首筋を下から上へと唇が伝い、熱っぽい吐息が肌を撫でる。
「……き……んだ。……から、ずっと」
掠れた彼の声が何かを呟く。
けれどあまりに小さすぎて、所々しか聞き取れなかった。
「……おねーさん」
「……!!」
唇が目前に迫ってきて、身体が強張る。
これ以上は…!
無理やり蹴飛ばしてでも止めるべきだと、頭の中で鳴り響く警報。
「や――…っ?」
衝動のままになんとか抵抗しようと、組み敷かれる足に力を籠めた瞬間だった。
腕の拘束が不意に解かれ、パタリと胸元に彼の顔が沈む。
「……ちょっと、あの…?」
名前が分からないから呼び掛けられない。
どうしようかと思い、顔を覗き込むと。
「うっ……はぁ……あ」
「熱っ…!」
額に手を押しあて、その熱の高さに驚く。
触れた額からは玉のような脂汗を掻き、薄く開いた唇からは辛うじて苦しげな呼吸を繰り返していた。
どうやら熱で逆上せて、意識が朦朧としているらしい。