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雨の日は、君と。
第3章 彼の熱と名前

「それに……」
普通科と進学科でほとんど関わりは無いとはいえ、彼が生徒であると知ってしまった以上。
個人的に会うことは、彼にとっても、私自身にとっても、あまり良くない。
「……明日、進学科の方に届ければ、大丈夫よね」
そう思い直し、公園に向きかけていた足を自宅へと方向転換する。
――そして、今現在に至る訳なのですが、
「……今日は本当にビックリした。年下だろうとは思っていたけど、こんな偶然って……」
世間は狭い。なんてよく言うけれど、まさにその言葉を実感する。
今日この頃。
「……そういえば、体調…大丈夫かしら……」
ふと思い出す、保健室での彼との再会。
驚いたのは勿論のこと。
彼の体調のことも気になっていた。
布地越しでも、あんなに熱かったんだもの。
薬を飲ませた時に、触れた唇だって――
「……っ!」
そこで必然的に蘇る、彼の唇の感触。

