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雨の日は、君と。
第1章 プロローグ
教師という職に就いてはいても、新米の私はまだまだ安月給の身だ。
アパートも六畳一間のワンルーム。
それでも布団が敷けてキッチンがあって、トイレとお風呂が完備されているのだから恵まれている方だと思う。
ただ……ひとつだけ挙げるとすれば、壁が薄いことが難点かな。
ついこの前だって――
「……っ」
不意に先日聞いてしまったある場面を思い出して、無意識に顔が火照ってくる。
「あれ? どうしたの? なんか顔赤いよ」
「えっ?! あ、あぁ…べ、別に。何でもないの」
「本当に? もしかして雨で身体を冷やしでもしたんじゃない? 風邪引いた?」
「ほ、本当に大丈夫だから。気にしないで」
「そ? じゃあ…………エロい想像とか?」
「……ぶっ!?」
ニヤリとした顔で不意を突かれて、吹き出す。
顔の赤みが更に増すのを感じた。
え、エロくはないと思う……多分、恐らく……飽くまでも私が耳にしただけだし。
そ、想像なんて勿論してないし!
……って、私は一体誰に言い訳をしてるの。