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冷たい月を抱く蝶
第1章 愛のない行為

誰もが寝静まる真夜中、私はあの人に呼ばれた。
嫌。本当は行きたくない。
彼とあんな行為はしたくない。
誰か助けて。
心の中でいくら叫んでも誰も助けには来ない。
もうとっくに諦めてしまったことなのに、
私は未だに誰かに助けを求めてる。
彼から逃げることも逆らうことも出来ないのはわかっている。
でも、私を抱くあの人の腕はつめたい。
血がかよってない。
そして氷のような目で私を上から見下ろすの。
その眼差しに恐怖すら感じてしまう。
私は逃げ出したい気持ちを抑えて、あの人の部屋に訪れた。そしてドアをノックすると、私は彼に呼ばれた。

