この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
冷たい月を抱く蝶
第3章 偽りの家族の肖像


11歳の誕生日を迎えるその日の前日、私は父の前でピアノを弾いた。

父はバッハの曲「主よ人の望みよ喜びよ」と言う曲が好きだった。

 私はお義父様を喜ばそうと、ピアノで習ったその曲を彼の前で弾いた。

 ガッカリさせないよう、鍵盤に向かって一生懸命ピアノを弾いた。

暖かい日差しが射し込む窓辺で、私は鍵盤を指先で鳴らす。

音を一つ一つ紡ぐように、かろやかで優雅な旋律の音色を奏でた。

深みがある音色は綺麗な音を響かせた。その旋律は心が愛に満たされるような、とても暖かな響きだった。

 私は父に感謝の思いを込めて弾いた。お義父様は椅子に座ったまま、私の方をジッと見ていた。

時おり目を瞑って、その旋律を穏やかな表情で聴いているようだった。

最後まで弾き終わると指先を止めた。
父は私のピアノの演奏を聴き終わると、暖かな拍手をしてくれた。

そんな父の拍手に、私はピアノの前で顔が少し照れたのだった。
/51ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ