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冷たい月を抱く蝶
第3章 偽りの家族の肖像

青い水晶玉の瞳が私を見つめる。素敵な青い瞳。
その綺麗な瞳の奥に私は吸い込まれてしまいそうになった。
その時、彼の長い指先が私の指先に絡んだ気がした。
瞳を反らさなきゃいけないのに、私は彼の瞳をジッと見つめてしまった。
「瞳子…――」
「お義父様……」
「不思議だ。きみを見ていると何故か……」
「え……?」
彼は私の近くで話してきた。
顔が少し近づくと、胸の奥がドキッとした。
お義父様の青い水晶玉の瞳には、今は私しか映っていなかった。そしてどこか熱い眼差しに私は、頬が自然に赤くなった。

