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冷たい月を抱く蝶
第4章 悲しみの記憶と……


その日、私は11歳の誕生日を迎えた。父は私を街に連れてくと、好きなものを買ってくれると言ってくれた。

 久しぶりの街。私は馬車の窓から街並みの風景を眺めた。

あれから三年が経った。私は彼に拾われる前までは
あそこにいた。スラム街で生きる孤児として……。

思いだしたくもない思い出。
嫌な記憶。

いつも空腹に飢えてお腹を空かしていた私。

着るものも汚れて、哀れで汚かった。

毎日生ゴミをあさって食べたわ。

そして寒い夜空の下で寒さに身を震わせながら、
路上の隅で眠りについていた。

毎日、不安と恐怖と孤独感でいっぱいだった。

 そして、私を捨てた両親を毎日憎んだ。その繰り返しだった。


あの頃は一日が過ぎるのが100年の長さに感じたわ。


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