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変心
第4章 兆し
平日午後の昼過ぎ、私はラブホテルにいた。

ベッドで隣に腰掛けている多分年下男の名前は知らない。

男には『さくら』と偽名を使った。

今までは頑なに無視してきたナンパについてきてみた。

もちろん夫に罪悪感はある。

しかしどうしても確かめてみたかった。

最近の夫とのセックスの物足りなさの原因が何なのかと。

何であの嫌いな男の事ばかり考えてしまうのか?

他の男性と経験したら何かわかるのではないか?

バカな発想だというのはわかっている。

しかし今のままでは夫への愛情さえも薄れてくる恐怖があった。

なにか打開するきっかけがつかめれば。


「さくらちゃん?いいんだよね?」

「お好きにどうぞ」

後ろから抱き締められ胸を弄られる。

夫よりもぎこちない手の動きに興奮するところはあったがそれだけだった。

股間を舐められるのも挿入されるのも夫の時以上に気持ちよくはならない。


次の日もその次の日もナンパ男についていった。

ぺニスの大小、テクニックの上手い下手等色々な男がいることを知った。

しかし精神的な問題なのか夫とのセックスな方がはるかに気持ちがいい。

男性経験が二桁に届く頃、悟った私は浮気を止めた。

私は夫が好きなのだと確信した。

しかし私はあの男を好きなはずがない。と何度も心の中で呟いていた。
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