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変心
第5章 空白
正直一目惚れだった。

この女を俺のものにすることしか考えられなくなった。

昔から欲しいものは手に入れてきた。

親の金を使うことが多かったが、使えるものは何でも使う。

それの何が悪いのか俺にはわからない。

しかし今回は手こずった。

夫にしか触れることが出来ないという探偵からの報告だった。

自称フェミニズムの俺としては嫌がる女を犯すわけにもいかない。

どんな形であれ相手が了承する形でないといけないのだ。

そんな時、変わった女とキャバクラで出会った。

「あなた・・・好きな人いるでしょ?手伝ってあげる」

「何だお前?」

その女はキャストの一人だったが、他の女と違い薄化粧だった。

しかしコロコロと変わる表情が愛くるしい。

成績も上の方なのだろう。

「だから協力してあげる。その子を好きに『しつけて』あげる」

「何だそりゃ?じゃ俺専用の淫乱な牝にしつけてくれよ」

「いいよー。でも今金欠だからこのくらい欲しいな」

提示された金額は300万。馬鹿げた金額だ。

しかしあの女を好きに出来るなら安いのかも知れないと思い直す。

都合よく、俺には(正確には父のだが)財力がある。

「やれるものならやってくれよ。アドレス教えてくれ。女の名前と住所送る」

「ふふん。楽しみだなぁ。300万!300万!」

手に入れてない現金を想像して『さくら』と名乗る女は子供のようにはしゃいでいた。
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