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変心
第8章 真希
「・・・なんで今日もいるんだ?」

真希は翌日も家にいた。

たった2日だというのに自分の家のように振る舞っている。

「彼女なんだからいいじゃん」

「・・・彼女にした覚えないけど」

「えぇ??!真希とあんなにエッチしたのに・・酷い・・・鬼畜に外道も付けとく」

「付けんなよ!!」

美佐がいなくなった心の傷は深いが、明るい真希のキャラは癒しを与えてくれる。

その存在は少なからず俺を支えてくれている。

って何か忘れてる。

「おい真希!!信也はどうした?」

「ん~?信也~?はっ?!忘れてた」

「何をだ?!」

バッテリーが切れたまま放置していたスマホを慌てて充電する。

「色々ヤバい・・」

「何がヤバいんだ?」

「バイト忘れた」

「信也の方じゃないのかよ?」

「そっちもヤバい」

「・・・やっぱりダメだった。あんまり無断欠勤多いからキャバクラ首になってた」

「はぁ・・・で信也の方は?」

「そのことなんだけど・・・」


ピンポーン

「来ちゃったかも」

「信也がか?」

美佐かも?と、未練を残しながらドアを開けた。

そこには、泣きそうな顔をしている真希によく似た少女がいた。

15、6歳といったところか?

清楚風の薄いブルーのワンピースがよく似合っている。

「亮ー!!!」

俺はその見知らぬ美少女に名前を呼ばれいきなり抱きつかれた。

「誰?!」

「助けてよーー!!!」

謎の少女が助けを求めてくるという状況に動揺してしまう。

もしやと思い真希を睨み付けると悪びれもせずに舌を出していた。

「お前の仕業か?妹か?」

「妹というかなんというか・・・しのちゃんだよ」

「しのちゃん?」

「しのぶちゃん。別の名前は信也って言うけど」

「は?信也?どういうことだよ?」

ヤバいと言いながら楽しそうにしている真希と、すがるような目で俺を見る少女。

その二人を見て、平穏な日常は当分来ないことを悟った。
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