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ディスタンス
第5章 匠の浮気現場を取り押さえろ
エレベーターが一階に到着してドアが開くと、アンジェも何か気配を感じたのか、
「瑠生。匠さん来てくれたし、私はここで」
と言ってあたしから離れると、あたしは驚いてアンジェを見て、
「アンジェ、待って…」
といいかけるけど、アンジェはすぐに見えなくなった。
匠は無言で足早にホテルを出ると、
「ねぇ、待ってよ、匠!」
と呼び止めるのに、足を止める様子はない。ホテルの前の駐車場に車を止めていて、とっとと運転席に乗り込むと、あたしも慌てて助手席に乗り込んだ。車は直ぐに発進して、ホテルを後にした。
そうして、探偵事務所にやってきた。
あれから一言も口をきいてくれない。
所長席ではなく、黒の革の客用のソファーに座って、キャメルをくわえている。
「瑠生。匠さん来てくれたし、私はここで」
と言ってあたしから離れると、あたしは驚いてアンジェを見て、
「アンジェ、待って…」
といいかけるけど、アンジェはすぐに見えなくなった。
匠は無言で足早にホテルを出ると、
「ねぇ、待ってよ、匠!」
と呼び止めるのに、足を止める様子はない。ホテルの前の駐車場に車を止めていて、とっとと運転席に乗り込むと、あたしも慌てて助手席に乗り込んだ。車は直ぐに発進して、ホテルを後にした。
そうして、探偵事務所にやってきた。
あれから一言も口をきいてくれない。
所長席ではなく、黒の革の客用のソファーに座って、キャメルをくわえている。