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ディスタンス
第3章 スイートルーム
瑠生の体の上にぐったりと乗って、

「はぁ…はあっ……はあっ……」

と息を乱していて、必死に呼吸を整えようとしていると、瑠生はそんな俺の耳たぶにキスをして、両手と両足を使って抱きしめてきた。

「ここが、ニューヨークだからかな。…匠に抱かれながら、ダディとママの顔が今、頭に浮かんだの」

瑠生は、少し息を乱しながら、光悦な笑みを浮かべて言うと、俺は少し、目を開けた。


「匠がいるから、きっとダディたちも安心してくれてるよね」

「…昔…鈴音に言われたことがある」

「え?」

俺は、ゆっくりと瑠生から離れて、ベッドに仰向けになると、瑠生は俺の腕枕に頬を乗せて、抱きついて俺の顔を見つめた。


「いつか守りたいものが見つかったら、さらに強くなれるって。でもきっと、もう、その大切なものには出逢えてるんだって。運命はこれから、どんな色にも形にも変わる。瑠生は匠に託すから、幸せにしてほしいって言ってた。まさか、ほんとに、こんなことになるとはね。それはそれで、別の問題だって言って、スティーブに殴られそうだよ」
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