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adult love 〜大人の恋〜
第5章 初めてのKiss

その日、学校が休みな麗奈は学用品を買いに、ショッピングモールへ行くことにした。

大方買い終わった麗奈。時刻は午後3時。小腹も空いたし、なにか食べようと歩き始めた……

少し歩くと見慣れた背格好の人が目の前にいた……。

マスターさんだ……。

「マスターさん!」

思わず声をかけると、少し驚いたような顔をして、すぐに微笑んでくれた。

「奇遇だね」

どうやらマスターさんも何か食べに行く途中だったらしく、一緒に行動することになった。

お腹も満たされ帰ろうとすると

「近くまで送っていこうか?」

と言ってくれた。どうやら車で来たらしい。

少し歩き回って疲れていたので、思わずお言葉に甘えてしまった。

駐車場まで来ると……

「わっ!」

薄暗かったのもあるのか、タイヤ止めに引っかかって転んでしまった。

「大丈夫かい!?」

マスターさんが駆け寄ってくれる。

地面がコンクリートのため、かなり擦りむいて血が出ている。

「ちょっと待ってて!」

マスターさんは急いで駐車場の奥の方に行ってしまい、しばらくして戻ってきた。

どうやら車から絆創膏を持ってきてくれたらしい。

「少し小さいね……」

と言いながら、ティッシュをガーゼ替わりに傷口に当て、その上から絆創膏をしてくれた。

絆創膏が留め具代わりになっているのだ。

「これで大丈夫かな……ただ、消毒もしてないし、膿んでしまうと大変だ……家は遠いのかい?」

「電車で来たので、それなりに……」

近くにもスーパーなどはあるのだが、学用品を買いたかったのでわざわざ遠いところまで来たのだ。

「そうか……近くに私の家があるんだ、そこで手当をしようか。」

「ありがとうございます……お願いします……」

かなり痛かったため、甘えることにした。

マスターさんはニッコリ笑い、車まで肩を貸してくれた。

数分後、高層マンションの駐車場につき、エレベーターで6階へ。

ドアの鍵を開け、中に入れてくれた。

中は本人の雰囲気をそのまま表したような感じのところだった。

シンプルなキッチン、リビング。

白と黒を基調とした部屋が多かった。

マスターさんは丁寧に傷の手当をしてくれ、紅茶とチョコレートまで出してくれた。

「わざわざありがとうございます」

「気にしないで。傷、痛むようなら病院行くことをオススメするよ」
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