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Sex Kaleidoscope~愛の万華鏡~
第1章 『果てしない愛という欲望へ』

 明かりを抑えた小さな部屋で、私は貴方に抱きしめられていた。

 息が止まるほどきつく抱き締められるまま、私は熱い首筋に顔を埋め、
胸いっぱいに恋しかった匂いを吸い込む。

 少し、目眩がした。

 爪先立った足がよろめいて、貴方にしがみつく。


「…柚乃香」


 優しく強く私を抱きしめて、貴方が私の名を呼ぶ。

 この時だけは、呼び捨てにする貴方の声は、深く熱い。


「んッ…」


 私も応えたかったけれど、返事も呼びたかった名前も、キスで遮られた。

 熱い唇が押し付けられて、滑らかな舌が滑り込んできて、吐息がこぼれる。

 貴方の手が、何かを探すように背中を撫で上げれば、体中を駆け抜ける甘い痺れ。

 つま先立つ足が震える。

 燃える唇がどちらのものか、感覚があいまいになり、
口の中で交ざり合う舌が溶けそうなくらい、長いキス。

 高まる鼓動を一瞬止めたのは、不意に背中を撫でた冷たい空気だった。


「えッ?」


 驚きに離れた唇をかすめて、着ていたニットが私の体を離れていった。

 それをソファに投げて、貴方がいたずらっ子の目で笑う。

 無邪気さと男の色香が交差する瞳に射抜かれて、動けなくなる。


「…もうっ」


 必死の抵抗ですねてみても、伸びてくる貴方の手を振りほどけない。

 スカートが落ち、それを追うようにスリップも肩を滑る。

 私も貴方のシャツのボタンに手をかけた。



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