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電動人形
第35章 御奉仕
人形は呆けたまま、素直にコクりと頷いた。

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人形の白い肌に赤い首輪、ハイヒール、そして新たに結び付けられた縄が良く映えた。

人形の身体を這う主の結んだ縄は、麻縄で、その粗雑な感じが人形の美しさを引き出していた。

もう、水色のワンピースはボロボロにちぎれ、布ですらない。

それを男は引き裂いて剥ぎとった。

縄で縛りあげられただけの裸体。

電車の中には有り得ない光景だが、
脱力する人形は何故か美しかった。

周りも同じことを思ったのだろう。

カシャカシャとシャッター音が鳴り続けた。

車両の端の一角は何故か共通の念が漂っていて、座席の端の部分は男達がガードマンのように並び、皆、人形を見ていた。

沢山のシャッター音に人壁の向こうの人は不思議に思うかもしれない。

だが、びっしりと埋まる人壁で出来た一角で人形は生きているのだ。
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