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第1章 高坂イズル・１８歳

「高坂聞いたか？竹下が学校辞めるってよ」

友人の林がその情報を持って来たのは連休明けの気だるい昼休みの事だった

「は？アイツ成績も悪くなかったろ？なんで？」

高校三年の初夏だ、退学する方がおかしい

「教師も説得して今日のところは保留になったらしいけどよ…」

林が最後まで言う前に俺は廊下に飛び出していた

竹下玲奈…いわゆる学内有名人でショートカットに整った顔立ち、何より誰に対しても変わらなく気さくに接する対応で抜群の人気があった

そんな竹下玲奈の退学話は火より速く生徒の間に広まり、俺が見つけた時には人混みの中心で困った顔をしていた