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桜花閣の事…
第1章 高坂イズル・18歳

二階建ての日本家屋、それが俺の家だ
「ただいま戻りました」
二階から女性の艶かしい声が聞こえる…父が「仕事中」なのだろう
「お帰りなさいませ若様」
桜花閣には「行儀見習い」という制度があり、桜花閣に売られてくると不定期ではあるが、この家や店の雑用をこなしながら父に店に出る為の「行儀」を習うシステムがあった
「すいません、食事の用意が出来ましたら部屋に居ますので声を掛けてください」
俺はそう言うと自室に向かった
「あの…旦那様がお呼びです」
自室で音楽を聴いていると行儀見習いの一人が呼びに来た
高坂イズナ、この桜花閣第17代目当主であり、俺の父である
「おぅイズル、呼び出して悪かったな」
この桜花閣において当主は絶対の存在である、息子の俺とて逆らう事は許されない
「話というのはな…お前も、もう18だし次期当主になる為の修行を始めてみてはと思ってな」
父が手を差し出すと贔屓にしている行儀見習いが煙管を渡した
「修行…ですか?」
「丁度今日から新しい行儀見習いが入るからな」
「嫌とは言えないのでしょう?」
「まあな」
父が手を叩くと一人の女性が背後の襖を開けて入り、俺の横に座った
「竹下?」
驚く俺を可笑しそうに父は見ていた
「あの…新しい行儀見習いというのは…」
「嫌なら俺が行儀を仕込むが?」
「いや…あの…やります…でも一つだけお願いがあります」
「なんだ?」
「高校を…竹下を高校に通わせていただけませんか?」
「ほぅ…費用はどうする?」
「当主修練となれば桜花閣の一員、給金も発生すると以前父上も仰られてました、その給金で賄います」
「ふむ…まぁ良いだろう、その代わり当主修練中は私の指示に従う様にな」
父は少し考えてからそう言った
「ただいま戻りました」
二階から女性の艶かしい声が聞こえる…父が「仕事中」なのだろう
「お帰りなさいませ若様」
桜花閣には「行儀見習い」という制度があり、桜花閣に売られてくると不定期ではあるが、この家や店の雑用をこなしながら父に店に出る為の「行儀」を習うシステムがあった
「すいません、食事の用意が出来ましたら部屋に居ますので声を掛けてください」
俺はそう言うと自室に向かった
「あの…旦那様がお呼びです」
自室で音楽を聴いていると行儀見習いの一人が呼びに来た
高坂イズナ、この桜花閣第17代目当主であり、俺の父である
「おぅイズル、呼び出して悪かったな」
この桜花閣において当主は絶対の存在である、息子の俺とて逆らう事は許されない
「話というのはな…お前も、もう18だし次期当主になる為の修行を始めてみてはと思ってな」
父が手を差し出すと贔屓にしている行儀見習いが煙管を渡した
「修行…ですか?」
「丁度今日から新しい行儀見習いが入るからな」
「嫌とは言えないのでしょう?」
「まあな」
父が手を叩くと一人の女性が背後の襖を開けて入り、俺の横に座った
「竹下?」
驚く俺を可笑しそうに父は見ていた
「あの…新しい行儀見習いというのは…」
「嫌なら俺が行儀を仕込むが?」
「いや…あの…やります…でも一つだけお願いがあります」
「なんだ?」
「高校を…竹下を高校に通わせていただけませんか?」
「ほぅ…費用はどうする?」
「当主修練となれば桜花閣の一員、給金も発生すると以前父上も仰られてました、その給金で賄います」
「ふむ…まぁ良いだろう、その代わり当主修練中は私の指示に従う様にな」
父は少し考えてからそう言った

