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第6章 人妻

「ごめんください。」


門にあるベルを鳴らして中の人を呼ぶ。

暫くすると10代くらいの小柄なメイドさんがドアを開けて、門のとこまでやってきた。


「おはようございます。どちら様ですか？
主様は今、外へ出ておりますが、、、」


「私はシェン・ディーテという者で、医師をしています。復興のお手伝いをさせていただきたいのですが、一先ず奥様はおられますか？」


「あ…はい。奥様に伝えてきますので暫くお待ちください。」


タッタッタッタッ
と走って玄関へ戻っていったので暫く待つと、紫色の髪の毛を一本に三つ編みした20代後半の女性が表れた。


「復興のお手伝いに来てくださったお医者様と伺いました。
どうぞ中へお入りください。」


琥珀色の瞳にやつれた顔で女性は私達に微笑むと、応接間へと通してくれた。

シンプルな応接間に一際目立つ、ふかふかの白いレザーで出来たソファに促され、すわる。


「申し遅れました。わたくしこのマグダレーナ地域の領主の妻で、ナターシャ・マグダレーナと申します。この度はわざわざお越しいただきましてありがとうございます。」


「いいえ。私共は出来る事をしに来ただけです。
私は医師のシェン・ディーテ。
こちらは看護師のリリィ・ガブリエルです。」