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【マスクド彼女・序】
第4章 二日目・三日目【微弱な引力の作用】

    ※    ※


「……」


「……」


 カウント的には、この日で二日目。

 昼を前にエデンへと望まれた正直は、前日に続き唯の遊戯の相手をさせられている。相変わらず何をやっても歯が立たずにはいたが、正直の方は何処か心在らず、といった様相であった。


「何を考えているのですか?」


 パチリと将棋の駒を慣らして、それを察した唯が訊ねる。


「別に……」


 とりあえず、そう答えて。しかし、それは正しくないと、すぐに正直は己の中で認めていた。

 気になることは、ある。それは前夜の唯の「嘘……です」という言葉に、集約されていた。
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