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【マスクド彼女・序】
第4章 二日目・三日目【微弱な引力の作用】

「罰とは……?」


 正直が、訪ねると――


「何でも構いません――が、今の正直さんの要求に、則したものに致しましょうか」


 唯は何かを見透かしたような笑みを、その口元に浮かべた。


「俺の……欲求?」


「はい。おそらく、正直さんは『見たい』――と、そう思っているのでしょう?」


「!」


 確かに……。正直は唯の顔を『見たい』と、そんな欲求を胸の中に抱いていた。


 だが、ホントに……?


 唯が言い出したこと――だとは言え。そんなにも簡単に唯がマスクを取って、素顔を見せるとは考えにくかった。それ故、何か只ならぬ魂胆を正直は唯の笑みに感じ取ってしまう。

 それが穿った見方であることを認めつつも、正直は探るような目で訊いた。


「君は、それでいいいの?」


「もちろん、構いません」


 得られていた、淀みのない即答。


 唯はついにその素顔を、正直に晒そうとしているのか――?

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