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俺は貴方を愛してはいけない
第6章 アリアンロット、魔女
睡眠薬の粉がたっぷり入った袋を当てられた男は、そのまま地面に崩れ落ちた。
袋の生地の穴は荒い。
荒いから、そこの隙間から薬が漏れ出て、ぶつけられた人間に気絶の効果を与えるようにできている。
その男の前には、不機嫌そうな顔をした坊やが。

「…どうして君と言い、彼女と言い、俺の情事の邪魔をするんだ」

「あたしには正当な理由がある。睡眠薬の金返せ。体に塗れるように作んの大変なんだぞ。固形の薬をわざわざ手間暇かけて柔らかぁくしないといけないからな」

とりあえず、彼女をどうにかしてからな、と男の下敷きにされている女を掬い上げる。
…殴られたらしく、あちこちに痣がある。
ひっでぇ男を引っかけたもんだよ、とあたしは思う。

「…あたしが診よう」

頼む、と言った彼は、ぎこちなく彼女をベッドの上に載せた。
どこか痛むのだろう、顔がしかめつらをしている。

「待て、お前が先だ。大事な商売道具なんだろ、その体」
「女の子が先。こんな傷一生残すわけにはいかないだろ」

きっぱりとした顔でそう言い張った。
こいつは変なところで優しい。
だからあたしはこいつが友人として好きだ。
というか普通にいい奴だ。
こんな、男娼なんて職業選んだわりにまっすぐすぎる奴だ。

「わかった。そのあとはお前な、万が一目覚められても困るしとりあえず男を廊下に…めんどうだ、宿の主呼んでくるわ」

男を呼び込んだらしい宿の主に処理させようと思った私は部屋を後にした。
どうして私がわざわざ男の面倒を見なきゃなんない。
めんどくさいわ。
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