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俺は貴方を愛してはいけない
第7章 無題、とある男娼
昨日の夜もシンは帰ってこなかったのよ、
どこ行ってるのかしらねぇ、帰ってきたと思ったらすぐに出かけてしまうの。
-私が貴族でなかったら、あんな人すぐにでも捨ててやるのに。

廊下からカツカツ、とヒールが床を叩く音がした。
あたしぃフェラでもなんでもするよぅ、と男に媚びた女の声。
ははは、それはありがたいな、と男の陽気な笑い声。
その二人の声は、ドアが閉まるバタン、という音と共に消えていった。

「人が来たみたいだから、私は帰るわね。さようなら、サルヴァ」

違う。
君が帰るのは、人が来たからじゃないだろう。
違うだろ、なぁ。
言葉はのどから出ていかず、そこに黒々とした塊を残した。
体だけが俺の想いを掬い取って、彼女の右手首を掴んでいた。

「…何?起こしちゃったのかしら、ごめんなさいね」

きょとんとした顔で振り返る彼女。

俺はこれしかできない。
これしか知らない。
君にこれを教えたのは誰でもなく俺だ。

素早く唇を奪った。息をする間も与えなかった。
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