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残像
第10章 おまけー再会ー
「持って帰って温めたら味も落ち着くだろ。器は無いんだけど、貸してもらえる?で、二人前頂戴」

「いいよ。また、持ってきて」

小鍋に煮物をよそってくれた。

「ありがとう。幾ら?」

「二人前で四十文貰うよ」(700円弱)

「はい。」

代金を払い、小鍋を受け取る。

「お釣りちょっとまってね…」

と小銭を数えだす。

「ところでるいさん、前あった時よりちょっとふっくらしたね…もしかして、おめでた?」

全体的にふっくらした印象だったが、特に腹がせり出ているように見えたので思い切って聞いてみる。
るいは照れたように笑った。

「ははっ、実はそうなんだぁ」

「身体はしんどくないの?」

「丈夫に出来てっからね!江戸のオンナは働きモンだからね、産月までは働くさ。ま、亭主にもうちっと甲斐性がありゃ、とも思うけど…それでも、あの人なりにアタシには気ィ使ってくれんのよ。だから、アタシは幸せモンだ」

「そっか。あの鷺がとうとう子持ちかぁ…なんか、らしくないな」

「だろ?」

ははっと快活に笑う。
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