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三人の王子の物語
第3章 シャルルの書



「何……?」



シャルルの顔に僅かに驚きが浮かぶ



「な、何よあんた!」

「そうよ! 抜け駆けするつもり!?」



再び喚き出した女達を舌を打って鎮める



「どういうつもりだ?」



少しでも興味をそそることが出来た女は嬉しそうに答えた



「如何なシャルル様であっても女性を抱いたことくらいはございますわよね?」

「一応はな。私にも仕える女達がいる」

「私、その人たちの奉仕に心がないのではと思ったのです」



さらりと馬鹿にされ、もとから仕えていた女達の表情が固くなる



「王になる為の条件は最も女に愛されること。シャルル様はきっと本当の女の“愛”を感じたことがないんですわ。

私が教えて差し上げます」



王子に対しては少々失礼過ぎるほど上から目線な発言ではあるが、彼女は非常に洞察力のある切れ者だった

シャルルが求めているのは永遠に自分を捉えて離さない“興味”

彼にとっては富も権力も儚く魅力ないものなのだ

故に“愛”という曖昧で一見普遍的な言葉で抱き寄せる

惹かれてきたところを快楽という糸で絡め捕ってしまえば−−−



“王子とて男……この私を以てしてオトせないはずがないわ”



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