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三人の王子の物語
第4章 ルートヴィヒの書



涙を流しながら愛を乞う

何でも手に入る身でありながら、そんなことをする王子が何処にいるだろうか



「君が傍にいてくれないのなら…王になる意味はない……生きる意味さえ……」



自分の肩で泣くその男に、マリアの心が熱くなった



「ルートヴィヒ様……」

「私を愛しているのなら……」

「愛しています」



マリアは彼の両の目を見つめ、しっかりと言い放った



「愛しています!」

「マリア……!」



ルートヴィヒは声を震わせ、強く彼女を抱き締める



「ルートヴィヒ様……くるしっ……」

「ルーイで良い。ルーイと呼べ」

「ルーイ…様……」



言われた通りにすると、反対にその腕にはより一層力が籠もる



「なんだ」

「…お顔が……見えないわ……」



ルーイはフッと笑って力を緩めた

少し体を離しても、その手は彼女が逃れないようしっかりと肩を捕えている



「マリア……」



もう一度名前を呼び、確かめるようにキスをした



チュ…チュ…



甘く深く絡み合いながら、二人の身体は重なってゆく

互いの温もりを感じながらも二人を阻む薄い衣服さえもどかしい



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